多くの方が、脳の役割は何かと聞くと、身体の様々な部分に命令を出しているというようなイメージを持っているのではないでしょうか?様々な身体の部位に対して命令を出している、“脳が、身体を人間を制御コントロールをしている”、というイメージは実は脳、中枢神経の役割を正確に描写しているものではないのです。
脳と脊髄から構成される中枢神経というのは、様々な情報を受け取りその情報を基に生命の存続のために今最善の調整を行うというのが中枢神経の基本的な役割なのです。中枢神経というのは制御、コントロールをする器官ではなく、調整、フィードバックをする器官なのです。外部環境、体内環境そして自身の運動・動作というものからあらゆる情報を受け取るインプットがない限り、中枢神経は調整、フィードバックのための適切なアウトプットを送り出すことができないのです。
情報をインプットし、プロセスの後に調整のアウトプットを行う、その結果変化をする環境情報を再度インプットし、プロセス、アウトプット、そしてまた次のインプットが、というインプット・プロセス・アウトプットというものが生命が続く限り永遠に続いて行くのです。
そしてこの永遠に続くインプット・プロセス・アウトプットの流れを知覚行為循環と言います。情報をインプット・プロセスし(知覚)、その情報を基にアウトプットが起こり(行為)、その結果また新しい情報のインプットが起こる(循環)。
行為、動作、感情、疲労、痛み、症状
そして、我々が常日頃から変化をさせたいとか、向上させたいと思っている多くの現象というのはこのインプット・プロセス・アウトプットの流れの中のアウトプットの部分にあたるのです。
スポーツのパフォーマンスを向上させたい、仕事の効率をあげたい、疲労を改善したい、痛みを軽減させたい、落ち込みがちな気分を上げたい、Happyに人生を送りたい、これらの全てはこの循環のプロセスの中のアウトプットの部分に当たるのです。多くの人がどうにか変化を起こそうと様々な努力をするのですが、このアウトプットはインプット・プロセスの結果として出てくるものなので、その部分に目を向けずにアウトプットの部分だけに目を向けていると、なかなか思うような変化が出てこないのです。
生体と環境
知覚行為循環とは、生体と環境の絶え間ない相互作用と言い換えることができます。外部環境、体内環境、そして自身の運動・動作からの情報を知覚(インプット・プロセス)した結果、何らかの行為(アウトプット)が起こり、その結果として環境に変化が起こり、そしてそれをまた知覚する。生命とはこの環境との間に続く永遠の循環の中にこそ存在をしているのです。
2元論の観点から言うと生体と対を為すものは環境なのです。陰と陽、表と裏、美味しいと不味い。物事が存在するためには必ずその逆も存在をする必要があるのです。陰がなくなれば陽もなくなり、表の存在しない裏はなく、美味しい知るためには不味いも同時に知らなければならないのです。
生体にとってそして生命にとってそれらを理解をするためには環境というものの存在を無視することはできないのです。環境というものの存在を無視したその瞬間から、生体、生命というものを理解することができなくなるのです。そう、環境がなくなれば生命も同時に存在をしなくなり、生命の存在しない環境もまた存在をしないのです。環境の中に一つのシステムとして存在する有機体として、人間というものを理解をするということが、生命というものを我々人類が知るためには必ず必要なのです。
このブログは、全ての人への愛と人類の限りなく明るい未来のために、医学と医療をより発展、進化させて次の世代へと繋げていくための提案です。