知覚行為循環:インプット情報

知覚行為循環(インプット・プロセス・アウトプット)という絶え間ない循環の中で、生体は24時間絶え間なく様々な情報を収集しています。この情報入力は外受容感覚(Exteroception)、内受容感覚(Interoception)、固有受容感覚(Proprioception)の3つの感覚入力に分類することができます。この3つの分類は、イギリス人神経生理学者でノーベル賞受賞者でもあるチャールズ・シェリントン博士が1906年に「The Integrative Action of Nervous System」という著書の中で初めて紹介をされたものになります。

外受容感覚(Exteroception)

外受容感覚とは、感覚の刺激源が身体の外部に位置するものを指します。一般的に視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚の五感とよばれるものが外受容感覚を構成します。これらの感覚は外部環境を監視、モニタリングし個体が存在する環境がどのような状況にあるのかを休みなくインプットし続けるのです。

情報の入力は24時間絶え間なく、我々の命が尽きるその瞬間まで行われています。睡眠中も聴覚は周りの環境の音を拾い続け、目をつぶっていたとしてもまぶたの裏の暗闇を視覚は拾い続けているのです。睡眠中は視床でインプット情報がブロックされることにより、それよりも高次の脳領域まで信号が送られ無いので、様々なインプット情報が我々の意識まで登ることがなく睡眠を邪魔されずにすむのです。

内受容感覚(Interoception)

内受容感覚とは、外受容感覚とは逆に感覚の刺激源が身体の内側にあるものを指します。心臓、肺、胃、腸、腎臓、肝臓、膀胱など様々な臓器の状態を監視、モニタリングすることにより、身体がどのようなコンディションにあるのかを絶え間無く入力し続けているのです。内受容感覚はその多くが無意識下で処理をされており、身体の恒常性の維持に非常に大切な役割を果たしています。

固有受容感覚(Proprioception)

固有受容感覚は、刺激源が身体の内側や外側ではなく、自己の身体の動きそのものが感覚の刺激源となり、空間内での四肢、体幹など様々な身体の部位の位置情報を入力し続けています。

固有受容感覚は英語でProprioceptionと言い、この単語は語源学でいうとラテン語のPropriusと英語のReceptiveを足したものになります。Propriusとは “One’s Own”または”Individual” という意味で、日本語に訳すと”その人自身”という意味になります。Receptiveとは”受け入れる、受容する”という意味になり、この二つを合わせることにより、”自分自身を受け入れる、受容する、感じる、知る”という意味になります。

実は、Proprioceptionという単語自体には動くという意味は全く含まれてい無いのです。身体が動くことによって生じる感覚が、”自分自身を感じる知る感覚”と名付けられているのです。こんなところにも”動くこと”と”人、生命”というものの深い繋がりを垣間見ることができるのではないでしょうか?

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